what do i get out of this?




バナナフィッシュと泳ぐ日

 ついに読みましたよ。吉田秋生『BANANA FISH』。名作だという評判だけ聞いてて、もうだいぶ前から読みたかったマンガ。この度文庫版を借りる機会を得て、ようやく読みました。

 先入観を持って読んだということを考えても、これはもう評判通り非常に面白かったです。文庫版第1巻の解説で坂本龍一が激賞している程にニューヨークの描写にリアリティがあるのかどうかは行ったことないのでわからないけど、そんなことは関係なく、「バナナフィッシュ」と呼ばれる麻薬とストリートギャングのリーダーのアッシュ・リンクスを巡る物語は、圧倒的なストーリー展開の勢いを持って、あまりにも美しくそして悲しいラストシーンまで読者を一気に引っ張ります。そして番外編の『光の庭』で余韻に浸る。幸せな読書体験でした。

 吉田秋生のマンガは『河よりも長くゆるやかに』『櫻の園』しか読んだことなかったんだけど、『BANANA FISH』はこの2つとはちょっと系統が違って、アクションもばっちりある骨太のストーリーマンガという感じですか。

 ところで、1985年から1994年までの長期連載だったこのマンガ、最初の頃と終盤では絵柄がかなり変わってます。特にアッシュなんかはほとんど別人みたい。でもこの変わり方は、時代と共に微妙に変わるであろう「きれいな(かわいい)男の子」の型に合わせて変わっているようにも見えて、面白いですね。

 さて、最後まで読んで気になったことが一つ。アッシュの親父はあの後一体どうなったの?